内容証明郵便
内容証明郵便は「いつ・いかなる内容の文書を誰から誰宛に差し出したか」について、差出人が作成する謄本によって郵便局が証明する制度のことをいいます。家賃滞納時の対応として督促状や催告書を送付する場合はこの内容証明郵便で送付するのがよいでしょう。
滞納者への内容証明郵便の書き方
内容証明郵便の作り方
内容証明郵便には用紙の種類やサイズの規定はありませんが、A4用紙で作成することが一般的です。自分用の控え・相手への送付用・郵便局での保管用の計3部を作成します。書面が2枚以上にわたる場合、綴じ目に契印をします。郵送に使用する封筒に関しては相手の氏名・住所を記載し、裏面には自身の氏名・住所を記載しましょう。なお、内容証明郵便は文書の書き方について規定が設けられています。1行あたりの文字数や行数など、縦書き・横書きに応じてそれぞれ定めがありますので、注意しておきましょう。
なお、当事務所では全てオンラインによる電子内容証明郵便を利用して、即時かつ正確に、必要な書面を作成して送付することが可能です。
督促状・催告書の違い
督促状と催告書は両方とも相手に未払分を請求する文書を意味しますので、大きな違いはありません。どちらの標題でも、内容に問題なければ法的な効力があります。
もっとも、法律や契約上の用語としては、解除するために支払を求める趣旨で催告(さいこく)という言葉が用いられますので(民法541条)、弁護士は催告書という標題を使うことが多いです。
なお、解除にあたって催告をしたことは、裁判上、立証する必要がありますので、内容証明郵便を用いることが多いですが、これもまた立証の一手段ですので、相手が受領しない場合などには別の方法で催告書を送ることもあります。
テンプレートを使用することがおすすめ
督促状や催告書をゼロから書こうとするとなかなか大変ですが、インターネット上には数多くのテンプレートが公開されています。ただし、中には法律上必要な記載が十分でないものも見受けられますので、自分で作成する場合にはご注意ください。
以下のページからも無料かつ登録不要でテンプレートをダウンロードすることが可能なので、ぜひ一度チェックしてください。
事例によってはテンプレートのままでは不十分な場合がありますので、記載に自信がない場合は弁護士に相談されることをお勧めします。
内容証明郵便の送り方
対応している郵便局は決まっている
内容証明郵便は普通と同じような形で簡易的に送付することができるものではありません。また、差し出せる郵便局にも限りがあり、全ての郵便局が対応可能というわけではありませんので注意が必要です。差し出すことが可能な郵便局は「集配郵便局」と「支社が指定した郵便局」のみとなっていますので、書面の作成と並行して、対応している郵便局を確認しておきましょう。
内容証明郵便の規定
内容証明郵便で送付する書面における用紙の大きさや材質・記載用具などについては特段問われるものではありません。しかしながら謄本に関しては字数と行数の規定がありますので注意が必要です。このカウント方法については細かなルールも設定されていますので、きちんと確認しておきましょう。
まず文書が縦書きの場合ですが、1行は20文字以内・1枚あたり26行以内にする必要があります。次に文書が横書きの場合ですが、こちらは3パターンの規定があります。1行が20字以内の場合は1枚26行以内・1行が13字以内の場合には1枚40行以内・1行26字以内の場合には1枚20行以内となっています。
内容証明郵便の出し方
送付する文書が作成できたら、自分の控え・送付用・郵便局の保管用で計3部を用意し、内容文書に押印します。押印自体は任意ですが、法人印などを押印することが望ましく、文書が複数枚になる場合は契印をします。封筒は通常の郵便と同様に相手や自分の氏名・住所を記載し、郵便局窓口で認証印を押印してもらいます。また、謄本の枚数によって料金が発生しますので、こちらも確認しておきましょう。
内容証明郵便を使う流れ
まずは催促し、退去させる場合は内容証明郵便
一般的には、滞納が解消すれば退去させる必要はありません。したがって、滞納が1回程度のときには、内容証明によらずに手紙やメール、口頭で催促するとよいでしょう。
滞納額が2か月になり、滞納の理由が明らかではないとか、滞納の解消が見込めず、契約解除して退去させたいという時には、内容証明郵便による催告や契約解除を行います。
なお、家賃滞納の場面で内容証明郵便を利用して送る文書には、催告書と解除通知書があり、これらは法的にそれぞれ意味があります。
連帯保証人への連絡
賃貸借契約に連帯保証人がいる場合、連帯保証人への連絡をどのタイミングで行うかは、事案や家主の方の方針によって異なります。
内容証明郵便を、賃借人(入居者)と連帯保証人の双方に同時に送る場合もありますし、時期をずらして送る場合もあります。提訴近くなるまで送らない場合もあります。
明渡請求訴訟
内容証明郵便は最後通告の趣旨で送ることが多く、催告する場合は支払期限を付けて送ることが一般的です。
期限を経過しても支払がない場合は、契約を解除する旨、記載しておけば、その後すぐに建物明渡請求訴訟を起こすこととなります。
内容証明郵便の効果とは
訴訟の証拠になる
内容証明郵便の最も重要な効果は、訴訟等の裁判手続で証拠となり、通知の事実を立証することが容易になることです。
賃貸借契約を解除して退去させるには、催告や解除通知が法律上必要であり、これらを裁判で立証するのに、内容証明郵便は効果的です。
滞納者に心理的な圧迫を与えられる
裁判が退去させる有効な手段であり、内容証明が裁判で効果を発揮する、ということは、相手も内容証明郵便を受け取ると「家主が退去させようとしている」と思うことになります。
あまり法律に詳しくない入居者でも、見慣れない形式の手紙を受け取り、少し調べれば法的手続に関係することは分かります。
そうすると、もし多少の滞納があっても大丈夫と思っている滞納者に、危機感を抱かせ、支払を促すことになります。
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賃貸借契約は貸す側・借りる側双方にとって重要性が高く、かつ関係が長期間継続することもあります。
その結果、トラブルが生じた場合の損害・影響は大きく、他の分野に比べても、迅速・適切な解決が求められます。
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監修弁護士のコメント
水田弁護士
内容証明郵便による通知は、訴訟を速やかに進めるために有効な手段です。
したがって、早期解決のためには、適切な時期や内容で作成、送付する必要があります。悩んだ時には弁護士などの専門家に相談しながら確実に進めて行きましょう。
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