高齢者の家賃滞納
少子高齢化が進み、入居者に占める高齢者の割合も増えつつあります。高齢者や障害をお持ちの方が家賃滞納をした場合も、基本的には通常と同様に手続を進めますが、留意すべきこともあります。
高齢者の強制退去
相手が高齢者であっても、強制退去は可能です。賃貸借契約はあくまでも当事者間の契約ですので、契約違反は解除理由となるからです。
高齢者や障害をお持ちの方については、行政による福祉的支援がありますので、そうした支援の手続をとっていただき、家主としては粛々と滞納に対処することとなります。
家賃滞納する高齢者への対処法
次に住む場所を確保する必要があるか
先述の通り、高齢者であっても退去義務に変わりはありません。家賃が払われなければ退去させるのは、お金がなければレストランで食事ができないことと同じです。
次に住む場所を確保するのは行政の役割であり、家主の役割ではありません。
生活保護等の場合
生活保護を受給する際、住居費についても補助があります。そして、住居費はいったん本人に支給されてから、本人が家賃として支払う方法と、自治体から家主に直接支払をする方法(代理納付)があります。
代理納付が可能であれば、代理納付を選択すべきです。これによって家賃滞納のリスクがなくなります。
なお、収入がないが、生活保護を受けておらず、これから受給する予定という方については、それを待つよりも、速やかに賃貸借契約を解除して退去を求める方が有効です。
寝たきりなどで動きが取れない場合
本当に寝たきりなど、体調が悪い場合に、その意思に反して退去させる場合は、事前に行政の福祉担当に相談するなどして、相手の体調に配慮して手続を進めます。
この場合でも退去させられないということはなく、通常よりも少し時間がかかるかもしれませんが、退去させることは可能です。
高齢者に賃貸する場合の注意点
賃貸経営を行っているオーナーの中には、高齢者の入居に不安を感じる方も多いようです。もっとも、既に入居した方が高齢になる場合もありますし、今後少子高齢化が進むと、高齢者に対しても賃貸する機会は増えます。
高齢者を相手とする場合も、必要な注意を怠らなければ大丈夫です。
家賃の支払について
高齢の入居者は、若い方に比べて働いて収入を得ることが難しく、家賃の支払に不安が残る場合もあります。そうした場合には、保証会社や保証人、また敷金の確保により対応することがよいでしょう。保証人については、入居審査時に、勤務先や収入などを詳細に調べることで回収のリスクを減らすことができます。
なお、家賃の滞納があれば、たとえ高齢者であっても強制執行(退去)が可能ですので、空室にするよりは、高齢者であってもしかるべき対応をして入居して貰うほうがよいといえます。
住宅の使用方法や日常生活について
住宅や共有設備の使い方などおいて、認知能力が低下した高齢者が誤った利用をして設備や建物を毀損したり、自らの健康を害したりする可能性はあります。
日頃からコミュニケーションを取り、緊急連絡先も確認しておくなどして、気になることがあればすぐに対応することが必要です。
近隣への迷惑行為や使用方法に契約違反がある場合、明渡しを求めることができる場合があります。早期に弁護士に相談すると良いでしょう。
居室内での死亡事故(孤独死)について
高齢者であれば、室内で亡くなることも若い方に比べて起こりやすいです。
しかし、その後の売買や賃貸で告知義務を負うのは、自殺や変死などであり、老衰や病気による死亡は、原則として、告知義務の対象ではありません。
その意味では、高齢者であることは、告知義務を負うような事故物件となってしまうリスクに直結するわけではありませんが、異常に早期に気付くためにも、日常的に様子を確認できるとよいでしょう。
正しい知識により、適切に対応することが重要
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賃貸借契約は貸す側・借りる側双方にとって重要性が高く、かつ関係が長期間継続することもあります。
その結果、トラブルが生じた場合の損害・影響は大きく、他の分野に比べても、迅速・適切な解決が求められます。
ぜひ、家賃滞納でお困りの家主様はご相談ください。
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監修弁護士のコメント
水田弁護士
少子高齢化が進みゆく我が国において、高齢者問題は避けて通れないものとなっています。そのため、単純に入居拒否をするのではなく、どういった形でリスクをケアするのかなど、適切な対処・対応についてきちんと考えておきましょう。
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