賢い家主の戦略室家賃を払わない人を追い出す方法とは
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家賃滞納とゴミ屋敷の同時発生を解決した事例

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家賃滞納とゴミ屋敷が同時に発生すると、物件の管理負担やトラブルが急速に拡大します。放置すれば衛生や火災のリスクが高まり、近隣からの苦情にも発展しかねません。強制退去までの正当な手続きや原状回復・費用請求の流れを理解するとともに、弁護士や専門業者へ早めに相談することが大切です。

ゴミ屋敷の明渡・滞納家賃と原状回復費用の回収

概要・経過

東京都練馬区のアパートで、長期入居していた60代男性が家賃を13か月滞納しました。室内は喫煙によるヤニ汚れと大量のゴミ堆積により、壁や床の損傷が進行している状態でした。

家主は本人と連絡が取れない状況を重く見て弁護士に相談。内容証明郵便での催告を行った後、訴訟に踏み切り、明渡し請求へと進展した事例です。

対応

弁護士は内容証明送付後に訴訟を提起し、被告欠席により完全勝訴を獲得しました。

その後、強制執行により明渡しを実現し、室内の著しい損傷を確認。また、相続関係を調査して父の遺産を特定し、差押えを準備しました。

結果として滞納家賃や原状回復費用を含む全額を回収しました。徹底した調査と法的手続きが奏功した好例です。

費用・回収金額

弁護士費用 148万4487円
実費
  • 95,094円(住民票・登記等調査、2回分の訴訟費用(印紙・郵送費など))
  • 52,648円(明渡強制執行費用)
  • 242,000円(執行業者費用。保管品処分費用含む)
  • 159万8264円(原状回復費用)
回収金額 469万8000円(原状回復費用約159万円を含む全額)

家賃滞納とゴミ屋敷化が重なるリスクとは?

近隣への悪臭・衛生被害によるクレーム

放置されたゴミから発生する悪臭や害虫は、近隣住民の生活環境に直接的な悪影響を及ぼします。衛生面への不安や不快感から、管理会社やオーナーに対し、近隣住民の苦情が寄せられることは珍しくありません。対応が遅れれば、入居者離れや契約解除につながるおそれもあるでしょう。

この状況が長期化すれば、決して管理会社やオーナーの責ではないにも関わらず、「管理の行き届いていない物件」として評判が下がるリスクもあります。

建物へのダメージや火災・害虫などの二次被害

生ゴミの腐敗や湿気の滞留は、床材や壁紙、配管などの建材を傷める原因になります。不衛生な状態が続けば、ゴキブリやハエ、ねずみなどの繁殖も招き、感染症リスクにつながる恐れもあるでしょう。また、コンセント周辺に可燃性のゴミが堆積すれば、発火や漏電による火災を引き起こす可能性もあります。

仮にゴミ屋敷から入居者が退去したとしても、これら建物のダメージを回復させるため、オーナー側の費用負担が増える可能性もあります。

心理的瑕疵化による資産価値の低下・売却困難リスク

一度ゴミ屋敷化した物件は、清掃やリフォームを終えた後でも「かつて問題があった部屋」という印象を持たれがちです。そのため内見時に敬遠されやすく、賃料の引き下げ交渉や空室期間の長期化を招くこともあります。

売却するにしても、購入検討者にとっても心理的な抵抗感が残るため、売買の難航が予想されます。

インカムゲインとキャピタルゲイン、どちらにも悪影響をもたらす厄介な物件になるかもしれません。

ゴミ屋敷化を理由に退去させることは可能?

賃貸借契約における室内管理義務違反

借主には、室内を通常の注意をもって使用・管理する義務があります。

これは賃貸借契約の基本原則であり、民法上も「善良な管理者の注意義務」として位置づけられています。ゴミを放置して悪臭や汚損が生じる状態は、この義務に明らかに反する行為といわざるをえません。

そのため、オーナーは契約違反として是正を求めたり、改善がない場合には契約解除を検討することも可能です。

重大な契約違反による解除・明渡し請求の根拠

ゴミ屋敷化が進行し、通常の生活空間とは言えない状態にまで至ると、社会通念上の居住義務に反する行為と判断されます。

このような状況は、貸主と借主の信頼関係を著しく損なうものであり、回復が困難な場合には契約解除が法的に認められることがあります。

契約を解除しても退去に応じない場合は、裁判で明渡し請求を裁判で行うことで強制的に退去させることができます。

家賃滞納がある場合は退去請求の正当性がより高まる

室内管理義務違反に加えて家賃の滞納が発生している場合には、契約解除の正当性がさらに強まります。借主の義務不履行が二重に重なるため、裁判所でも解除や明渡しが認められやすいでしょう。

オーナーとしては、滞納期間や金額、室内の状況を客観的な証拠として整理しておくことが重要です。弁護士に早めに相談し、法的手続きを踏んで進めるようおすすめします。

強制退去に向けた法的対応の流れ

1. まずは本人・連帯保証人への連絡

ゴミ屋敷化や家賃滞納が確認された場合は、まず入居者本人に連絡し、改善を促すことが重要です。電話や書面、訪問など複数の方法を使い、誠実な対応を求めましょう。

連帯保証人がいる場合は、早い段階で先方と現状を共有し、協力を仰ぐことが大切です。のちの法的手続きを円滑に進める準備として、丁寧に初期対応を行いましょう。

2. 内容証明郵便で督促・契約解除を通知

本人への働きかけでも改善が見られない場合は、内容証明郵便を用いて正式に通知します。

内容証明郵便は、裁判の証拠として機能する重要な書類です。文書には「いつまでに」「どのような対応を取るか」を明記しましょう。改善がなければ契約解除や法的措置に移る旨も記載します。

3. 明渡し訴訟と強制執行の申立て

内容証明による通知後も退去がなければ、裁判所に明渡し訴訟を提起します。もし勝訴しても入居者が応じない場合は、裁判所へ強制執行を申し立て、執行官が立ち会って退去を実施する流れとなります。

煩雑で難解な手続きを要するフェーズとなるため、弁護士の協力のもと、適切な処置を取りましょう。

4. 残置物の処理と費用回収の可否

退去後、部屋に元・入居者の残置物が残っていた場合、これをオーナーが勝手に処分することは許されません。残置物の処理は、裁判所の許可や執行官の立ち会いを経て行うことが原則です。

清掃や処分にかかった費用は元・入居者が負担することとなりますが、実際には回収困難なケースもあるでしょう。少しでも多くの費用を回収するための準備として、あらかじめ弁護士に相談して適切な準備を進めることが大切です。

片付け・原状回復のために頼るべき専門家とは?

弁護士|契約解除・訴訟・執行手続きの専門家

退去請求や契約解除など、法的手続きが必要な場面では弁護士が重要な役割を担います。内容証明の作成、明渡し訴訟の代理、残置物処理の法的支援などを通じ、自力救済によるトラブルを防ぎながら適法な解決へ導きます。

特殊清掃業者|ゴミ屋敷の撤去・消臭・消毒

大量のゴミや汚染が発生した現場では、特殊清掃業者の専門対応が欠かせません。特殊清掃業者であれば、家財や廃棄物の撤去、悪臭・汚染除去、害虫駆除などに加え、感染リスクの高い現場にも対応できます。衛生環境を、より安全に回復させる専門家です。

家賃保証会社|滞納分の立替、退去後の対応支援(契約があれば)

家賃保証契約がある場合は、滞納分の立替や回収などの支援を受けられます。契約内容によっては、明渡し手続きや退去交渉のサポートも可能です。原状回復や再募集まで協力してくれる場合もあるなど、オーナーの負担を軽減してくれる心強いパートナーです。

信頼できる不動産管理会社|再発防止と入居者対応の窓口

再発防止と日常管理の両面において、信頼できる管理会社の存在は欠かせません。誠実な管理会社でしたら、入居審査の厳格化や定期巡回、苦情対応などを通じて、トラブルを早期発見してくれることでしょう。管理会社のサポートを通じ、オーナーが一人で抱え込まない管理体制を築くことができます。

ゴミ屋敷トラブルを未然に防ぐための管理対策

入居審査での人柄・支払い能力の確認

入居審査の段階で、人柄や支払い能力を丁寧に確認することが大切です。勤務先や収入、過去の居住歴を把握するほか、内見時の印象や面談での受け答えも判断材料となります。信用情報機関を活用すれば、より精度の高い審査が可能です。

契約書に「室内管理義務」や「立ち入り条項」を明記

契約時には、室内を適切に使用・維持する義務を契約書に明記しておくことが重要です。トラブル発生時に法的根拠として活用でき、早期対応が可能になるからです。悪臭や苦情、緊急時に立ち入りを許可する条項も盛り込むと、より効果的です。

定期的な室内チェックや見守りサービスの導入

入居後も定期的に室内を確認すると、問題の早期発見に効果的です。特に高齢者や単身者では、孤独死やゴミ屋敷化のリスクが高まるため、訪問点検や見守りシステムを活用し、異変を感じた際にすぐ対応できる環境を整えましょう。

家賃保証会社・専門管理会社との連携強化

オーナーだけで問題を抱えるのではなく、家賃保証会社や管理会社との連携を強化することも大切です。信頼できる保証会社や管理会社との連携があれば、滞納や異常行動への迅速な対応ができるでしょう。万一トラブルが生じても、可能な限り被害の拡大を抑えてくれます。

対応は冷静かつ法的に。専門家に早めの相談を

仮にゴミ屋敷化や家賃滞納などが発生したとしても、感情的な対応は禁物です。入居者に無断で入室したり勝手に荷物を処分したりすれば、「自力救済」として違法と認定される恐れがあるからです。

一方で、そのまま放置すれば、被害や修繕費などの費用は拡大します。仮に退去したとしても原状回復まで時間がかかり、機会損失につながりかねません。

これら問題の影響をできる限り抑え、かつ、できる限り迅速に解決へと導くためには、弁護士や専門業者へ早めに相談することが重要です。問題を発見したら、迷わず速やかに専門家へ相談しましょう。

監修
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水田匡之先生
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第二東京弁護士会所属
水田 匡之先生

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